第15章 貴女の熱 《津軽目線》
「ウサちゃんのH」
こんな事を口走ったのは、照れ臭くて。
瑠璃子の顔が一気に真っ赤になった。
(だけど、瑠璃子やっぱり、君はHだよ。
俺が、未だに欲情してるんだから)
瑠璃子の鼻をキュッと摘んだ。
愛しくて。
「いひゃいです!」
俺が笑うと、瑠璃子も、俺を見つめて柔らかな笑顔になった。
そうなんだよな。
この子といると、自然に笑える。
幸せな気持ちで笑えるんだよ。
「ウサ、俺だけのもんだよね?」
ウサが、幸せな顔で頷いた。
(ど可愛い)
ベットルームの窓から、綺麗な満月が見える。
腕の中にいる俺のものになった瑠璃子。
月のウサギと結ばれると、幸せになれるんじゃないかな。
そう考えてしまう程、今日は幸せな時間で終わった。
修行施設で、殉職覚悟で、瑠璃子を救出したのが、随分昔の事の様に感じる。
「津軽さん、わたし津軽さんが大好きです」
不意打ちの、瑠璃子の言葉が嬉しくて、胸にまた、暖かいものが溢れる。
あぁ.....この子が好きだ。多分君が俺を好きな気持ちよりも、俺の方が、君に惚れてる。
「瑠璃子、君の日常に俺の居場所、作ってくれた?」