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マイハート・ハード・ピンチ

第2章 BBQしよう!


期末テストが終わると、夏休みがやってきた。
翠の鶴の一声により、柔道部は今年も文化祭で「百人掛け」イベントを催すことに相成った。
嵐自身も、去年は百人どころか三十人で倒れてしまったことが余程悔しかったようで、「今年は六十人」と早々に目標を掲げて練習に打ち込んでいる。
新名も、最初こそ「ひゃ、百人?!んなもん無理だって!」と拒んでいたものの、粛々と練習に励む嵐に触発され「俺だって去年の嵐さんの記録くらいは越えてやる!」とすっかり意気込んでいる。
そんな熱い部内のムードも相まって、夏休み早々に、柔道部は体力づくりも兼ねた、合宿を実施することになった。翠は突然決まった合宿の準備にばたばたした毎日を過ごしていたが、なんとか宿泊場所や食事・入浴の手配、練習試合などの手配を済ませた。

合宿一日目。
意図せず強豪校からの練習試合をセッティングできたので、初日にもかかわらずハードなスケジュールになってしまった。翠は柔道部員たちのみならず、他校の部員の昼食を用意した。部員よりもハードに仕事をこなし、笑顔で大盛りの白米をよそう天使のような彼女の姿に、女子マネージャーのいない他校の部員たちはタジタジだ。嵐はそれを見て、終始おもしろくなさそうに口をへの字に曲げていた。そんな効果もあってか、彼はこの練習試合で全勝の快挙を遂げた。

合宿二日目。
昨日の疲れをケアしつつ、体力づくりに努める日にすることになった。この日一番の目玉イベントは、夕方のバーベキューだ。焼肉好きな珊瑚にも、「部活終わりに食べにおいでよ」と声をかけてある。翠は大迫先生にも手伝ってもらいながら、うきうきと準備に取り掛かった。
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