第3章 女海賊爆誕
トド松がデカパンの首に剣を当てながら言う。次の瞬間。
「がっ……!ぐあっ!」
○○が男の足を踏み肘鉄を食らわして銃を奪い、チョロ松の頭に当てたのだ。
「なっ……!」
「女だから弱いと思った?人質を取ればいけると思った?………くっ……くくくく…。あはははは!なめたらいかんぜよ!」
銃を空に向けて発砲すると、双方の動きが止まった。
「人質取るほど卑怯なことはないわよね。何か理由でもあるの?」
すると船長のおそ松が悔しそうに言う。
「そうでもしなきゃ、やってられないんだ!俺たちは、ハジメ国を元の平和な国に戻したい!」
「どういうことだ?」
カラ松が首をかしげながら聞くと、一松が答えた。
「俺たちはハジメ国で生まれたんだ…。毎日が楽しかったのに…。イヤミが王権を握ってからハジメ国は変わってしまった…。あの時すっかり騙されて前国王を裏切り者だと信じてしまった自分が憎い!ニャーーー!」
十四松も続けた。
「イヤミは法律をすっかり変えてしまって、平民は全員貴族の奴隷っていう扱いになったんだ。そのために僕たちみたいな平民は、地獄のような暮らしを余儀なくされたんだ」
チョロ松も続ける。
「父さんと母さんのおかげで逃げ延びた俺たちはハジメ国を元に戻すためにこうやって海賊になって、強い海賊を仲間に率いれようと考えたんだ。そのためには手段なんて選んでられなかった」
おそ松たち全員が土下座する。
「頼む!俺たちに力を貸してくれ!」
「「お願いします!」」
カラ松はあきれた顔でため息をついた。
「最初からそう言えばいいんだ。俺たちも今その計画を立てるつもりだったからな、力を貸そうじゃないか」
「いいのか?!」
「おそ松。俺たちがそういう気持ちになったのは、彼女がいるからなんだ」
おそ松たちが○○を見る。○○はおそ松たちの顔を見回して言った。
「教えてちょうだい。あの後お父様とお母様はどうなったの?」
「えっ?どういうこと?君は一体…?」
不思議がるおそ松の手を取る○○。
「私は元ハジメ国王女、○○よ。奴隷として売られていたのをこのオザーキ海賊団船長カラ松が助けてくれたの」
「「お、王女様!」」
チョロ松とトド松がさらに土下座する。
「すみませんでした!王女様とは知らず…!」