第8章 真・帝国学園
愛媛に着き、みんなでコンビニでお昼などを買っていた。
「ねぇ、なにこれ?」
「は?なにってコンビニだろ。」
「これがあの、こんびに?」
椿は目の前のコンビニを指差して風丸に説明を求める。
「いや、コンビニはコンビニだろ。お前、知らないのか?」
「初めて見た。なんか買い物するところだよね?」
「そうだけど。」
「買い物ってどうやんの?」
風丸は自分じゃどうにもできないと思って吹雪を呼ぶ。
吹雪を呼んだ時に、一之瀬、土門、鬼道、塔子もついてきた。
「どうしたの?風丸くん。」
「いや、北条にいろいろ教えてやってくれ。」
風丸の言葉にみんな首を傾げる。
椿は吹雪にまた同じことを聞いた。
「これ、こんびに?買い物ってどうすんだっけ?」
「あぁ、初めてだね。お金持ってる?」
「これのこと?」
「そう。お金の価値に見合うものをそのお金と交換することが買い物。わかる?」
「うん。」
「それをするのがお店。」
「うん。」
「で、お店にもいろいろ種類があるんだ。洋服が売ってるところとか、食品が売ってるところとか。コンビニはいろいろ売ってるんだけど、簡単に言えば、食品類が主かな。まぁそれは中に入って見てみよう!」
吹雪の説明にあんまり納得のいっていない様子の椿。
「ちょっと、そんなこともわかんないの?」
「買い物という言葉の意味はわかる。お金という概念も理解してるつもりだ。でも、お金の実物もこの前初めて見たし。」
そんな椿に周りは驚くことしかできない。
「きーくんは"人間の常識という概念が存在しない人"だから。ダメだよ、きーくんに当たり前という言葉を使ったら。この子の当たり前は僕らの当たり前とは違うから。」
吹雪はそうみんなに告げてから椿をコンビニの中へ連れて行き、コンビニとは何かを1から教えて行った。
「箱入り息子だ。」
「お前らもそこそこ金持ちだろ?」
塔子が漏らした声に土門が反応し、塔子と鬼道を見る。
「俺はもともと普通の家の子供だ。鬼道家に引き取られただけでな。生まれた時からの北条とは訳が違う。」
「あたしだってそうさ。パパが総理になったからってあたしらの生活がそこまで変わることはないよ。」