第20章 過去のしがらみ
ポケットから出したカッターで咲弥の後ろから狙っていた腕を掴み上げる及川
岩泉は咲弥を抱きしめ鈴村から遠ざける
鈴村「お、い川……くん……どうして……」
どんどん青ざめていく鈴村
咲弥「どうして徹ちゃんも…」
及川「ねぇ……これで咲弥に何しようとしたんだ!!」
鈴村「っ!!」
ガタガタ震え出す鈴村
東峰「咲弥!大丈夫か?」
咲弥「私は大丈夫だよ」
菅原「岩泉、サンキューな」
岩泉「いや、」
鈴村「どう…して…」
全員「「?」」
鈴村「どうしてそんな女守るの!?中学の時から一番応援してたのは私達なのに!先輩達だって目障りだって!及川くんは私達の及川くんなのに!彼女とかありえない!あんたなんて釣り合わない!及川くんには勿体ない!」
及川「…………」
月島「ちょっと…何言ってんのあの人…」
鈴村「中学ん時もあれだけ痛めつけても部活辞めないし!“やるなら部員にバレないようにやって”とか“皆に迷惑かけたくない”とかお前がいる事が迷惑なんだよ!!」
及川・岩泉「「っ!!」」
岩泉「ってめぇーーっ!!……っ!及川?」
突っ込んで行きそうな岩泉を止めた及川
及川「勿体ないのは俺の方だ…」
鈴村「っ!どう…して……」
及川「咲弥は…何も悪くない…釣り合わないのは俺の方だよ…(苦笑)」
東峰「及川……」
鈴村「何言ってるの!?あの人がいなきゃ全部上手くいくのに!」
岩泉「それは違うな」
鈴村「え?な、なにが!」
及川「咲弥を好きになったのは俺の方…」
鈴村「っ!」
及川「なのに俺は周りにチヤホヤされるようになって浮かれてた…ただただガキだった……俺から好きになったのに裏切った…」
咲弥「徹…ちゃん…」
及川「咲弥は君達とは違う…君達みたいにセコい事はしない…」
鈴村「っ…」