第15章 リナリア ~月島 蛍~
そう言って背伸びして僕の頭に軽く触れる…
その格好が無性に愛しくて、苦しくなった…
そんな気持ちを知られたくなくて話を変えた
月島「ねぇ、その花なに?」
咲弥「これ?さっき友達に貰ったんだー[ニコ]可愛いでしょ?」
いや、花持って笑ってる咲弥さんが可愛い…///
月島「なんて名前の花?」
咲弥「確か…リナリアだよ♪花言葉は…“この恋に気付いて”だったかな」
“この恋に気付いて”か……
月島「その花…少しくれない?」
咲弥「え?どうするの?」
月島「綺麗だから押し花」
咲弥「押し花かぁ……じゃあ私のもお願いしていい?」
月島「自分ですればいいでしょ?」
咲弥「え~1つも2つも一緒でしょ?」
月島「はぁ…分かった。」
咲弥「ありがと[ニコ]」
月島「押し花にしてどうするの?」
咲弥「しおりにしようかなって…」
月島「じゃあ僕のもしおりにしてよ。約束ね」
咲弥「え?分かった(苦笑)」
月島「じゃあ、山口待たせてるから……」
咲弥「え!そうなの!?早く言ってよ!じゃあまた部活でね!」
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月島「お待たせ」
山口「話は?」
月島「終わった」
山口「で……その花は?」
月島「咲弥さんに貰った」
山口「へぇ~咲弥さんに……ってなんで咲弥さん?…ってかあの子と付き合うの?」
月島「付き合うわけないでしょ?」
山口は絶対分かってる
僕が誰を好きか…
なんだかんだで小学生の頃から一緒だし…
山口「そうだよね[ニコ]だってツッキーの好きな人って……」
月島「うるさい!山口」
山口「ごめん、ごめん[ニコニコ]」
はぁ……ほんとなんなの……
山口「よかったね、花」
月島「っ!!///黙ってろよ…絶対…」
山口「クスクス…分かってるって!」
毎日、毎日…
特に好きでも嫌いでもない練習に今日も行く
高校に入ってから少し足取りが軽くなった気がする…
でもそれはバレーがしたいわけじゃなくて…
アンタの声を聞きたくて…
アンタの笑顔が見たくて…
今日もあそこに僕は行く。