• テキストサイズ

もうひとつの記憶

第1章 私


私は散歩をしている。
隣には誰もいない。一人の散歩。
君は私の誕生日が終わると同時に居なくなってしまったね…。
酷いや。

夜の公園は、誰もいない静かな空間。
私はあの、ブランコに座る。
君が私を見つめてた、斜め前の木を見つめた。
木の傍で私を見つめて。
ひとりぼっちの私を見つめて。
こっちに来てくれた。

「また、会えないかなぁ…。」

ついつい口から漏れた心を慌てて塞いで、私は立ち上がる。
こんなんじゃあ、君も心配しちゃうよね?
立ち上がった瞬間、ブランコが衝撃で揺れた。

キィ… キィ…
キィ… キィ…

私は、その音が公園を駆け抜けるのを聴いて、涙をこぼした。
/ 28ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp