第6章 絆される・続(神威裏夢)
通信が切れるとほぼ同時に、遼は神威の肩を思い切り殴りつける。
「何て事を言ってくれちゃってるんですか!」
「別に良いじゃないか。隠すことでもないし」
あっけらかんと言ってのけた神威に、遼は頭を抱えて絶望した。
既に色々と知られてはいたが、恐らく今ので団員達は二人の関係を確かなものとして受け入れるだろう。
「最悪……」
「俺としては最高だけどね。じゃあ、俺は行ってくるからいい子で待ってるんだよ」
「待ちませんよ。帰ります」
ヤケクソになって部屋を出た後、神威の部屋にお茶のセットを忘れた事を思い出し、廊下で立ち止まる。
「……色々癪だし、後にしよ」
関わると関わっただけペースを乱されるのだから、とさっさと自室に引きこもり、目下の仕事を片づけた。
──おしまい──