第23章 合歓綢繆【阿伏兎裏夢】
「んう"っ、んっ」
「ふっ、あ"っ……」
苦しいのか、喉奥が軽く締まり、阿伏兎は堪らず額に手をやる。せり上がってくる欲望が全身を支配して、呼吸が出来ない程に体が震えた。間もなく、遼の喉奥にどろりと熱い物が吐き出される。
「んっ…」
ごくりと喉を鳴らして飲み込んだ遼の頭を撫でながら、阿伏兎は何とも言えない表情で苦笑した。
「今日は大サービスだな」
「んっ、ゴホッ——言ったでしょ、今日は頭も体も全部阿伏兎で一杯にしたいの」
「成程な。じゃあ、しっかり注いでやらないとな」
ぞくぞくと、背筋が震える。
「阿伏兎、……好きよ」
遼はすっかり蕩けた顔で自身のショーツに指を掛けてゆっくりと下げた。どろりと糸を引くほど溢れた蜜がショーツを汚していて、阿伏兎は露わになった秘裂に指を這わす。
「あ…やぁっ」
「どろどろだな。これならすぐにでも挿れられそうだ」
「はあっ、あっ、じゃあ、入るか試してみる?」
阿伏兎の体に跨って膝立ちになった遼は、しとどに濡れた秘裂を阿伏兎のものに擦り付けた。何度か往復させて、ゆっくりと先端を蜜口に押し込む。
「あっ、んうっ……」
ずり、ずりと、わざとゆっくりと腰を落としながら、遼は阿伏兎の腹を撫でた。自分とは違う、硬くごつごつした腹筋を撫で擦るだけで遼の膣が軽く締まる。眉を寄せて耐えるような表情の遼に、阿伏兎は白い太腿を撫でながら尋ねた。
「一体何に感じてるんだ?」
「わっ、かんない…何かもう、阿伏兎に触ってるだけで気持ちい、いっ」
阿伏兎のものを奥まで収め切ると、遼は熱い息を吐く。
「ねえ、阿伏兎」
「ん?」
「一緒に気持ち良くなって」
ゆるゆると腰を動かし始めた遼を、阿伏兎はされるがままに下から見上げた。額に浮かんだ汗が阿伏兎の腹にポトリと落ちる。目を閉じて余裕のない表情で必死に腰を揺らす遼の姿が愛らしくて、阿伏兎は笑みを浮かべた。
「んあっ、あぶ、とぉ…はあっ、ああっ」
「ホント、良い眺めだ」
阿伏兎が軽く腰を突き上げると、遼はびくりと体を震わせる。軽く達しているのだとわかった阿伏兎は、腹の上にある遼の手を取り握りしめた。指を絡めると、遼が不思議そうな顔をする。