第18章 情炎(土方裏)
「ったく、あんまり可愛い事すると、本当に抑えが利かなくなるぞ」
くすりと笑った土方は、繋がったまま体を起こし、対面座位の体勢で遼の体を揺さぶった。
「ひっ、あ、十四郎さ…!」
「っ、ちょっと、我慢しろよ。奥に出してやるから…っ」
叩きつけるような動きに、遼は必死で土方にしがみつく。無意識に爪を立て、背中を引っ掻く遼に苦笑しつつ、土方は自分の限界が近くなっているのを感じて強く遼を抱きしめた。
「全部、受け入れてくれ。俺の、狡い所も、情けない所も、全部」
「んっ、あ、はいっ……っ」
「遼、愛してる」
張り詰めたものが震えて、痙攣する遼の体の奥に注がれる。
不意に遼の体から力が抜け、土方は慌ててその顔を窺った。
「大丈夫か?」
「はい…でも、疲れました」
ふにゃりと笑った遼に、土方も思わず相好を崩す。そして、遼の頬や額に口吻ると、ずるりと自身を引き抜いた。
「っは、やべぇな」
「?」
「いや、すっげぇ溢れてる。こんなにぐちゃぐちゃになってるの、初めて見たかもな」
妙に感心した様子の土方に、遼は真っ赤になって「変なこと言わないで下さい」と訴える。
「だってお前……まあ、いいか。俺も、疲れた」
そう言って横になった土方の髪を梳くように撫でて、遼も土方の隣に寝転がった。一人用の布団は狭く、必然的に二人は密着する。汗をかいた肌は、触れあうだけでしっとりと熱を持ち、まるでそのまま溶け合うような感覚だった。
甘えるようにすり寄ってきた遼に、土方は首を傾げる。
「遼、どうした?」
「甘えたい気分なんです。何だか、体がふわふわして、十四郎さんの傍に居ないと不安で」
「そ、そうか」
にやついてしまう口元を抑えながら、土方は遼を腕の中に収めた。
「遼、愛してる。きっと、誰よりも」
「私も、です。愛してます、十四郎さん」
同じ言葉で感情を表現できたことが嬉しくて、遼は涙を浮かべて微笑んだ。