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魂の色【銀魂短編夢】

第17章 企画【〇〇しないと出られない部屋】


沖田ver.

ベッドの上で目を覚ました遼は、状況が飲み込めず首を傾げる。

「ここ、ドコ?」
「よォ、漸くお目覚めかい?」

背後から掛けられた声に振り向くと、一人がけの椅子に腰掛けた沖田がつまらなそうにこちらを見ていた。

「どうして沖田隊長が?」
「そんなの俺が聞きてぇぜ。目が覚めたらアンタと並んで寝かされてて、しかも部屋から出られねぇときた」
「えっ?!」
「扉はおろか、窓一つねぇ。そのくせ風呂と厠は用意してある」
「監禁されたんでしょうか」

恨みを買いやすい仕事柄、そういった事件に巻き込まれる可能性はゼロとは言えない。

「監禁で済めば……っ!」

突如、音を立てて部屋のモニターに電源が入り、二人は腰の刀に手を掛けた。
緊迫した二人を嘲うように、モニターにはポップな字体で文字が表示される。

「ここは、キスしないと出られない部屋です。二人で協力して頑張ってね。何ですかコレ?」
「俺たちにキスしろって事だろ」
「意味がわからない」

理解の早い沖田と対照的に、遼は首を傾げ、眉間に皺を寄せながらモニターを睨みつけた。
遼の意志が届いたのか、モニターに続きが表示され、沖田が淡々と読み上げる。

「キスをするまで扉は開きません。数日分の食料は用意していますので、ゆっくり考えて下さい。だとよ」
「キスって、自分で自分の手に──とかでも」
「キスは相手の体にしろってよ」

思惑を先取りしたように現れた指示に、遼は肩を落として沖田を盗み見た。

「……沖田隊長、協力してもらえますか?」
「仕方ねぇな」
「じゃあ、失礼しますね」

覚悟を決めた遼は、小さく気合いを入れると、沖田の手を取りその甲に軽く触れる程度に唇を落とす。

「次は、沖田隊長お願いします」

伸ばされた遼の右手を取った沖田は、そのまま引き寄せて驚く遼の唇を自分のそれで塞ぐ。
離れようとするより速く、沖田は遼の後頭部をしっかり押さえて深く口吻た。

「んーっ!!」
「っ、は。開いたな」

いつの間にかに開いた扉を確認すると、沖田は遼を引っ張って部屋を出る。

「ちょっ、沖田隊長っ!」
「続きは屯所でな」

ニヤリと笑った沖田に、遼は真っ赤な顔でその背中を思い切り殴ったのだった。
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