第23章 オトメゴコロ。
『ごめんくださーい。』
ある日の昼下り、杏はある人物の屋敷の門を叩いていた。
甘「杏ちゃん!!おいでませ、我が家へ!!」
『お久しぶりです、蜜璃さん。
今日は手合わせよろしくお願いします。』
飛び出してきた甘露寺に杏は優しく微笑む。
今日は甘露寺邸にて杏と甘露寺の手合わせ稽古が行われる。
現在、杏の屋敷にはたくさんの隊士たちがいて慌ただしいが、甘露寺邸はかなり落ち着いているためこちらで行うことになったのだ。
甘「よろしくね!!そういえば祈里ちゃんと音羽ちゃんは今日はいないの??」
いつもなら杏の一歩後ろに控えている2人の姿がないことに首を傾げる甘露寺。
『お2人には屋敷での稽古を任せてきました。
指導するだけの力量は十分にありますからね。』
甘「そうなのね!!
2人は今の階級は乙だったかしら??」
刀鍛冶の里にいたときに聞いたのか杏に尋ねる甘露寺。
その質問に杏はいたずらっ子のような笑顔を浮かべる。
『ふふっ、それがですね。まだお2人には話していないんですけど、実はもう甲になっているんですよ。』
甘「えぇ!?そうなの!?すごいわねー。」