第44章 反撃の狼煙
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──ゴシャッ
悲鳴嶼の鉄球が当たり、無惨の左腹側半分を削れる。
その隙をつき、今度は不死川が伊之助が持ってきてばら蒔いた愈史郎の術が施された札を拾って額に貼る。
すると、先ほどまで姿を眩ませていた伊之助達の姿と共に話し声までもが鮮明に視えるようになった。
伊「善逸!!カナヲ!!俺もアレやりてぇ!!刃ァ赫くするやつ!!」
そんな伊之助へカナヲが青ざめながら答える。
カ「そんな簡単にできるものじゃないから!!まず、腕力が同じくらいじゃなきゃ…。」
祈「そうそう。私たちの刀見てないの??」
音「杏さまと打ち合ったけど赫くなったのは杏さまの刀だけ…私たちは力が及ばなかったのね。」
そんな会話を聴きながら、不死川はニヤリと笑った。
不(なるほど。この札をつけてる者同士は見えてるわけか。面白ぇ、使えるもんは何でも使うぜ。)
そして不死川はそのまま技を放った。
ー 風の呼吸 漆ノ型 頸風・天狗風 ー
──ズシャアアアッ
『っ、』
ブワッ、と強風を受けて杏の隊服の袖が翻る。
杏(虚空からこの威力の攻撃…不死川さんもあの札を使ってるのね。なら…)