第44章 反撃の狼煙
不「冨岡ァァア!!受けろォォオ!!」
冨「!?」
突然、自分に刀を向けて走ってくる不死川。
冨岡はあまりの事に頭が追い付かず疑問符を浮かべる。
そんな冨岡の構える刀へ不死川が思い切り自身の刃を打ち付けた。
──ガキュイイイン
悲鳴嶼の時と同様に、バチバチと火花が散りながら染まり始める刀身。
冨(刀身が赫く…!?)
その直後、
「カアアア!!夜明ケマデ一時間三分!!」
時間を知らせる鴉の声に不死川はニヤリと笑った。
不「余裕余裕。糞味噌にしてやら゙ァアア!!」
その手には赫く染まった刀があった。
それを発見した杏は少し離れたところから不満の声をあげる。
『あ!!酷いですよ!!私を除け者にして!!』
既にその場にいる柱たちは自身で刀を赫くした伊黒と悲鳴嶼、2人で打ち合い刀を赫くした不死川と冨岡、というように杏以外は赫刀を手にしていた。
不「たまたま近くに冨岡がいたんだよォ!!」
『だからって!!私はどうしろっていうんです!?』
不「自分でなんとかしろォ!!」
『自分は冨岡さん使ったくせに!!』
杏は酷い!!と嘆きながら辺りを見渡す。
自力で刀を赫くした伊黒の動けなくなっていた様子を見る限り、それを真似することはできそうにない。