第43章 きっといつか
──ゴフッ
冨岡は蝕まれる体が悲鳴をあげるように吐血する。
伊(体が小さい分俺は毒の回りが早い…。くそっ…!!)
伊黒も吐血し朦朧とし始めた意識の中、体だけは動かさなければと必死に踠く。
杏(皆さん限界が近い…。最悪私だけになるわね。)
殺す気のない無惨により毒を与えられていない杏だけ普段通り動けているが、もしこの場にいる他の柱たちが皆倒れたら────その後の絶望的な状況を考えると頭が痛くなる思いだった。
杏(どうしたら…。)
そんな中──…
──チリン
鈴の音とともに猫が突如として現れた。
杏(猫…!?一体どこから…)
鬼「!?」
これには無惨も大きく目を見開いた。
その瞬間──…猫の背負っていた絡繰箱の中から、何かが四方へ放たれた。
──バシュッ
放たれモノは、無惨ではなく悲鳴嶼、不死川、伊黒、冨岡の4人へ命中。
冨「!?」
伊(…しまった!!)
不「くそが!!」
咄嗟の事に反応出来なかった4人は青ざめる。
悲(これは!?)
杏(あの猫…まさか鬼舞辻無惨の仲間なの!?)
杏も打たれこそしなかったが、まさか4人が打たれるとは思ってもおらず眉間に皺を寄せる。
しかし、次に現れた体への異変や無惨の反応は想像していたものとは異なっていた。