第18章 共に
その後は披露宴となった。
わっ、と新郎新婦の周りに群がる面々。
「煉獄よォ~っ!!こいつゥ、日本一幸せそうな顔しやがってぇ~!!」
普段の派手な化粧はせずに、袴姿の宇髄がまだ披露宴が始まったばかりだというのに、すでに一升瓶を片手に、ウリウリと杏寿郎の頬をつついている。
その周りには、須磨、まきを、雛鶴の姿もあり、皆嬉しそうに笑っていた。
「咲!!煉獄さん、おめでとうございます!!」
「ありがとう宇髄!!奥方達!!」
そこへ、伊黒と甘露寺がやって来る。
「杏寿郎、咲、本当におめでとう」
「師範、咲ちゃん、おめでとうっ!!咲ちゃん、とっても綺麗よ!!」
二人が揃って祝いの言葉を述べると、杏寿郎はニカッと笑い、
「うむ!ありがとう!次は二人の番かな?」
と言った。
「なっ、何を言っている杏寿郎!」
「きゃあああ!!師範、やめてくださいいいっ!!」
揃って顔を真っ赤にする二人の姿に、耀哉とあまねが密かに頷き合うのを咲は目撃した。
「煉獄、咲、おめでとう。こんなに嬉しいことはない」
「ありがとうございます、義勇さん」
「咲、白無垢とても似合っていますよ。煉獄さん、咲のことをどうぞよろしくお願いしますね」
「うむ!心配するな胡蝶!三国一幸せにしてみせる!」
ドン、と杏寿郎は胸を叩いた。
「咲、良かったね。煉獄さん、本当におめでとうございます」
「うむ!ありがとう、時透!」
「あぁ…なんというめでたい日だ…涙が止まらん……」
「悲鳴嶼殿!これで拭かれるとよかろう!」
「岩柱様!これをお使いください」
滂沱の涙を流す悲鳴嶼に、杏寿郎と咲がほぼ同時に布を差し出したので、一同は声をあげて笑った。