第21章 エピローグ 全ての人達へ
応援に駆け付けてくれた皆と別れ、家族4人で帰路につく。真っ直ぐに家に帰ると、美愛と愛希が抱き着いてきた。
美愛「ママかっこよかったよ!私もママやパパみたいにバスケ上手になりたい!ママ、パパ大好き!」
愛希「僕も!ママとパパみたいに有名な人になる!いつか絶対に勝つんだから!ママ、パパ大好き!」
あたしの一番の宝物、美愛と愛希。美愛は相変わらず大人しいけれど、凄く気が利く女の子へと成長してくれている。愛希は元気すぎて困るくらい元気。だけど愛希のおかげでこの家はいつも賑やかだ。何がなんでもあたし達はこの子達を守ってみせる。
今日藍が撮ってくれたビデオを真剣に見ながらあーだこーだと言い合いをする姿は、もう立派なバスケットプレイヤーだ。将来が楽しみだね、と征ちゃんに言うと、僕達の子供だからねなんて自信満々に言う。
そして
「お疲れ様、朱音。疲れただろう」
『それは征ちゃんもでしょ?ありがとう、征ちゃん』
「朱音」
『んー?』
振り向いた途端、征ちゃんにキスをされた。いくら美愛と愛希がビデオに夢中だからと言っても、いきなりのキスに戸惑うばかりで顔が真っ赤になっていくのが分かった。
『ちょ、征ちゃん!美愛と愛希の前ではやらないって…』
「僕がしたくなったんだ。大丈夫、2人はビデオに夢中だよ」
そう言って征ちゃんはゆっくりとあたしを抱きしめる。
「朱音、僕と出会ってくれて本当にありがとう。朱音のおかげで僕は今最高に幸せだよ。信頼できる仲間がいて、大切な娘と息子がいて、愛する妻がいる。全部朱音がいなければ手にしていないものばかりだ。ありがとう、朱音」
『急にどうしたの?』
「ただ言いたくなっただけだよ。昔も言っただろう?僕は素直に生きているだけだ」
征ちゃんの体温が温かい。征ちゃんの心拍音が心地よい。征ちゃんの隣が大好き。