第20章 新しい家族を作りましょう
「テツヤ」
「赤司君、朱音さん」
『成人式以来かな?今年から就職なんでしょ?頑張ってね』
「はい、ありがとうございます」
「テツヤ。僕達はテツヤに感謝している。共にチームメイトとして、敵として、仲間として一緒にバスケをした事。僕は決して忘れない」
「僕もです。一時期はバラバラになった時もありましたが、それを再び集めてくれたのも赤司君と朱音さんです」
『バラバラになってなかった、そういう事だよ』
「いいえ、あの時僕達は確実に違う方向を向いてました。とにかく僕は2人にはとても感謝しています。けど、あの時の約束は忘れてないですよね、赤司君」
「当たり前だ」
『何の約束?』
「赤司君が覚えていればいいですから。改めて、結婚おめでとうございます」
『さつき!』
「朱音ちゃん!赤司君!すっごく感動したよ!」
『ありがとう、さつき』
「ううん、お礼を言うのは私の方だよ。あの合宿の日、朱音ちゃんは私に勇気をくれた。赤司君は私の事を気にかけてくれた。おかげで私は友達が出来たんだよ」
「僕は何もしていない」
「ふふふ、そう言うと思ったよ。けれどあたしは2人にお礼を言いたいし、そんな2人が幸せになってくれて本当に嬉しいよ」
『さつき…ありがとう。さつきもテツ君と幸せになってね!』
「朱音ちゃん、しーっ!聞かれたらどうすんの!けど、私も頑張ってみるよ。2人を見てたらやっぱ結婚ていいなって思うもん」
「相手が好きな人なら尚更だ」
「うん、そうだね。朱音ちゃん、赤司君。結婚おめでとう!」