第18章 そしてWCは伝説となる
梓「えっ!?洛山の赤司君ですよね!?朱音ちゃんとはどういう関係なんですか!?」
「…この女は誰だ」
梓「私、藤ヶ咲の市谷梓です。次の準決勝で憧れである朱音ちゃんと試合させてもらう事になりました!」
「…朱音、君達の次の相手は片岡じゃなかったのか?」
藍「それが…片岡さんのチームはこの藤ヶ咲に負けちゃったの…」
市谷さんと蘭さんは当然だと言わんばかりに微笑む。征ちゃんは2人をじっと見ると、軽く溜息をついた。
「まぁ良い。朱音、そろそろ帰るぞ。智也さん、今日はお世話になります」
「「「「「…え?」」」」」
兄「は?え、ちょ待てよ!おい朱音!もしかして今日泊まるって言ってた奴って…」
『…うん、赤司征十郎君です』
「「「「「…えぇーーー!?」」」」」
玄関には皆の声が響いた。注目を浴びてしまったあたし達はすぐにヒソヒソと声を上げられる。とりあえず目立たない場所に移動する事にした。そして征ちゃんが倒れた事、玲央さんからあたしの家に泊まる事で征ちゃんを救えると教えてもらった事を皆に説明した。
梓「それってもしかして2人は…キャー!あの噂は本当だったんですね!」
蘭「そうね。それにしてもやっぱりお似合いね」
「その言葉は素直に受け取っておこう。だがこの事はまだ知られるわけにはいかない。僕も朱音も、この世界じゃ有名人だからね」
茉実「相変わらずの大物ね、赤司君も」
『ねぇ、噂って何の事?』
捺美「朱音ちゃんも相変わらずの鈍感だよね」
征ちゃんを含め、お兄ちゃん以外の皆が溜息をつく。市谷さんはその後、だから朱音ちゃんは可愛いんだけど、と言って顔を赤くさせていた。そして外が暗くなっている事に気付いたあたし達はその場で解散した。どうしてもアドレスを交換してほしいと言われ、市谷さんと連絡を教え合った。