第6章 思いやりは見かけだけ【ジェイド】
主人公勢いすごいのと、ジェイドにひたすら励ましてもらう話。
「ジェイドーーーーーォー!!!!」
バン!!!とたいそう大きな音を立てて扉を開いたのはオンボロ寮在住、魔法の使えない他所の世界からきた監督生ユウ。
「……どうしたんですユウ。あ、扉は優しく閉めてくださいね」
自室で椅子に座り本を読んでいたジェイドはゆっくりとユウの方を振り向く。
「……もうやだ」
「ふふどうしたんです?」
ジェイドの膝の上に顔を埋め駄々をこねるような素振りにジェイドは思わず微笑む。
「私、この世界に来てもうだいぶ経つと思うの。だけど帰る手がかりはないし、相変わらず魔法は使えないし、変な夢ばかり見るしほんとなんかもういい加減にして欲しい」
「……そういうことですか」
ユウの髪を撫でながらうーんと考えるジェイド。
「……ユウは元の世界に帰りたいですか?」
「…うん、それはね、だってわけも分からずここに来たし、前の世界での私はどうなってるのかも確認したい、親とか友達とか、」
「これはあくまで僕の見解ですが、ユウが何度も聞かせてくれたあの夢の話は、なにか意味があると思いますよ。ここに来てから見るようになったんでしょう?」
「……うん」
「……因みにですが、もし、戻れなくなったらどうしますか?」
ジェイドの不意打ちの質問にユウはばっと顔を上げ驚いた顔でジェイドを見る。
「…え、」