第7章 3人の部屋
私は黙々と片付けをしていて夕方になっていたことに気づかなかった。
犯罪者に狙われていることも忘れるようにーーーーー。
岩崎「ただいま。」
奈々「えっ、もうそんな時間!?」
岩崎「ずいぶん集中してたみたいだな(笑)」
そう言った岩崎さんを見上げるとそこには…
桜木さんが立っていた。
奈々「おかえりなさい。そうなんだよね……っ…桜木さん…」
桜木「元気そうだね」
そう言って微笑んだ。
奈々「岩崎さん…なんで…」
桜木「俺が無理を言ってお願いしたんだ。」
そういうと、2人はスーツのジャケットを脱ぎ、ソファに腰掛けた。
岩崎「奈々、こっちおいで。」
桜木「…っ」
奈々「うん…」
私もソファに腰掛けた。
すると桜木さんが思いがけない質問をした。
桜木「岩崎さん、名前で呼んでるんですね…。もしかして2人共…」
岩崎「したよ?」
奈々「えっ…あっ…ちょ…2人共…っていうか岩崎さん!当たり前みたいに言わないでください!」
岩崎「だって本当のことだろ?なんなら昨日は奈々が…ーーー」
私は慌てて岩崎さんの口を塞いだ。
岩崎さんの言い方はまるで桜木さんを挑発するような言い方。
桜木「…本当…なの?」
私の方を見て問いかける。
私は俯いたあと、小さく頷いた。
するとーーーー。
桜木さんは私の腕を引っ張って抱き寄せ、膝の上に座らせた。
奈々「桜木さん!?」
桜木「ずるい…」
と小声で言った。
奈々「えっ…?」
桜木「俺もずっと…我慢してた……昨日の会議でこの事が決まってから…俺…気が気じゃなかったんだ…」
奈々「桜木さん…」
昨日の岩崎さんとの浴室での会話を思い出す。
そっか…桜木さんも同じ気持ちを抱いていたのか。
そう思った。
顔を上げた桜木さんは、ごめん。そういって私にキスをした。