第6章 2人だけの部屋
奈々「はぁっ…はぁっ…」
岩崎「はぁっ…」
チュッーーー
岩崎さんがおでこに軽いキスをする。
岩崎「奈々……」
奈々「私っ…シャワー浴びてきますっ」
その場にいるのが恥ずかしくなり、私は浴室へと逃げた。
奈々(岩崎さんとまた…)
私は罪悪感を感じていた。
透がいるのに…今頃、心配しながら家に1人なのに…
そう思うと心が苦しかった。
なのに…何故か身体は快感を求める…。
どうして…そんな言葉しか頭に浮かばなかった。
ガチャーーーーー
奈々「えっ…!?」
浴室に岩崎さんが入ってきた。
岩崎さんは私を優しく抱きしめ、
岩崎「困らせてごめん。」と言った。
浴室に2人…
静かな時間が流れた。
岩崎「奈々…嫌…だったか?」
そんなずるい質問をしてきた。
岩崎「嫌だったなら言ってくれ。嫌いならそう言ってくれ。」
奈々「私…わからない…です…」
岩崎「えっ…?」
奈々「透への罪悪感が消えない。当たり前ですけど。なのに…なのに…半年前のことを思い出すと身体が……熱くなって……」
岩崎「奈々…」
奈々「疼くんです……岩崎さんの匂いがすると…身体が…反応…しちゃうんです…」
私は少し涙目になりながらそう話した。
事実、半年前のあのゲーム以来、
忘れたくても忘れられず、会社で2人を見るたびに脳裏に焼き付いて離れないあの光景が浮かぶ。
悟られないようにいつも通りにしているつもりだったが、本当は身体が求めていることはわかっていた。
透にも何度は話した。
透は、何も言わなかった。
今日、岩崎さんの家に泊まることが決まった時からどうしようとずっと思っていたのだーーーーー。
岩崎「ごめん…っ…」
そう言って岩崎さんは私にキスをした。
今度は本能のままではなく、優しい優しいキス。
奈々「んんんっ…」
そして2人は浴室を後にした。