第24章 誠意の欠片も感じられない謝罪
4人が盛大に暴れている最中、階下のリリアは…雷が、鳴り止むのを聞いた。
「リリア様!!見て下さい!雷が…」
「鳴り止んだ…」
「ふむ、誰かさんの気分が晴れたようじゃのう」
3人が大門を開け、雲間から差し込む光を見た時。マレウスがホールに姿を現した。
そんな彼に、リリアは悪戯っ子のような笑みを浮かべて声を掛ける。
「随分と、スッキリした顔をしておるの。マレウスよ」
「リリア、僕は…ローズに会いに行っても、良いと思うか?」
「…何故、駄目だと思う?」
「僕が、彼女を傷付けたからだ」
「姫さんに、傷ついたらからもう会いに来るなと言われたのか?」
「……僕と彼女は、種族すら違うのだぞ」
「……」
仮に、ローズと想いが通じ合ったとしても…果たしてその先に未来はあるのか。
マレウスには分からない。
「それは、お主自身が確かめんとな」
そう。分からないから、彼は確かめに行くと決めたのだ。
シルバーとセベクが、門を開く。
そして、胸に手を当て 深々と頭を下げた。
大扉の両側に立ち、主人の為に道を開ける。
「「行ってらっしゃいませ」」
「!…あぁ。行ってくる」
従者からの、心強い見送りの言葉を背中で受ける。そしてマレウスは愛しき者が眠る場所へと、向かうのであった。