第102章 *革命ビギニング(レオナの夢)*
シルバー・セベク・アズールをその場に残し、レイラたちは暴動に巻き込まれない隙間を縫いながら王宮への道を走っていく
しかし、背後からは3人でも抑えきれないハイエナの群れが全速力で迫ってきていた
グリム『ふなっ!すげぇ数の近衛兵が追ってきたんだゾ!』
オルト『ユウさん、ちょっとごめんね』
ユウ『わっ、ちょ!いきなり抱き上げないでよ』
オルト『グリムさんも僕の肩に!ジャックさん!』
ジャック『分かってる!
"もっと速く、もっと鋭く、もっと強く!
月夜を破る遠吠え(アンリイッシュ・ビースト)!"』
狼の遠吠えが暗夜に響き、ジャックの姿は魔力の光を帯びて大きな銀色の狼へと変貌する
ジャック『乗ってください、ラギー先輩!レイラ!チェカ王子!』
ラギー『サンキュー、ジャック君!』
狼化したジャックの背中に持ち前の身軽さでサッと飛び乗ると、視界の端でチェカが飛び乗るのを見ながらすぐにレイラへと手を伸ばした
ラギー『ほら、レイラちゃんも!』
『ん!.....ぇ?』
ドドドドドド...!!!
?『戦えー!!俺たちの国を取り戻せ!!』
?『近衛兵なんかに負けるな!所詮はただのごろつきハイエナだ!!』
?『生意気なやつらめ、全員今日の朝飯にしてやる!』
『『『ヒャハハハハ!!!』』』
ラギーの手を取ろうとしたその時、国民と近衛兵たちの暴動の波がその流れを変え、ジャックたち目掛けて押し寄せてきた
咄嗟のことに避ける暇もなく、瞬く間にジャックたちはまるで我を忘れて駆ける動物たちのような群衆に呑み込まれてしまった
ジャック『っ!暴動の群れがこっちに迫って..おああああ!?』
ラギー『ちょ、ジャックくんしっかり..うわああ!?』
『わ、わわわわわっ!...いたっ!』
暴動の勢いは凄まじく、レイラをその流れに巻き込み、繋がっていた二人の手は無情にも引き離されていった