• テキストサイズ

銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第32章 アズカバンの囚人




ルーピン先生はひどく悲しそうに笑う

人狼への差別は今も昔も酷いものだ
人狼とは、狼に噛まれた人間のこと
満月の夜に、身も心も狼へと成り果ててしまう

だからこそ、皆狼人間と一緒になりたくないと思うのだ
危険だから
狼に変身でもしたら、自分が殺されかねないから


彼のその少年時代は、とても悲しかったろう


しかし、すぐに明るくなって言う

「だが、ダンブルドアは私を学校に通わせられるよう手配してくれたんだ
きちんと処置すれば、私は普通の生徒と何ら変わりないとね
この屋敷はそのために建てられたんだ」


確かに、暴れ柳はルーピン先生が入ってくる年に植えられたと聞いた
まさかルーピン先生のためだけに用意するとは


(ダンブルドアは心も身体も太っ腹だよね……)

こらこら。










すると


「これはこれは
久しぶりだな、シリウス・ブラック」
「スネイプ……」

スネイプが来てしまった

どうやら透明マントを使っていたようで、マントを脇に投げる



「……」

静かに唇を噛む
スネイプが来たことにより話はこじれ、スネイプ自身も災難な目に遭うのだが、自分が立ち回るべき道はハリー達への味方しかない
そして、それはスネイプを傷付けるということを意味する


「はぁ……………」


ちょっと複雑だ




シリウスとスネイプは睨み合う
お互いを憎みあっている2人は、今にも殺し合いを始めそうな雰囲気だ
続きを分かってると言っても、見てるこっちがハラハラする


「暴れ柳の根元で見つけてね
なかなか役に立ったよポッター、感謝する」

スネイプの顔には勝利への喜びという表現が正しい笑顔が浮かんでいる
普段は顔の筋肉を動かすことなんてないのに、この時ばかりは嬉しそうに笑って
でもそれがとても不敵で





「なんでここに…」

ロンが言う

それにスネイプは答えた

「ルーピンが今夜脱狼薬を飲むのを忘れたようなので、我輩自らがわざわざこうして持ってきたのだ
そして、それはまことに幸運だった
先程、彼の机にあった忍びの地図で、君がここに来て姿を消すのを見たのだ
後を追ってきてみれば、まさかブラックと感動の再会を果たしていたとは」




/ 428ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp