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銀のヴィオラ 『ハリーポッター』

第32章 アズカバンの囚人



「待て、ハリーに教えてやろう
ハリーには真実を知る権利がある
ロンもハーマイオニーもだ
そして、ヴィオラも」
「ッ」
「もう全部知ってる!ブラックが裏切った!
僕の両親も死んだ!!」
「それは違う」

静かに告げる

それにより、全員の動きが止まる
そして、ルーピン先生がまた静かに告げる

「私達はずっと、シリウスが君の両親を裏切ったと思っていた
でも違ったんだ
裏切ったのは別の男だ
そいつはつい最近まで死んだと思われていた」







その時








カタン



「「!」」

後ろから物音が鳴った

だが、誰もいない

「やっぱりこの屋敷は呪われてるんだっ」

ロンが言う

でも

「ロン、それは違うよ」

そう言うと、皆すぐさまこちらを見る
ハリー達はもちろん、ルーピン先生やシリウスもだ

「あっ!や…えっと………」


うっかりしてた

言い訳が思いつかない


ずっとどもっていると、落ち着いたようにルーピン先生が話した



「確かに、彼女の言う通り
この屋敷は呪われてなどいない」
「でも噂が…」
「あぁ、だが、その噂を流したのは私だ」
「「!」」
「あなたが…?」
「そう
この木は、私が入学する時に植えられてね
このトンネルも、私が使うために用意されたんだよ」
「でもどうして……?」

ハリーが言う

その言葉に、ルーピン先生は昔を見るように遠くを眺める
その瞳には、過去しか映っていない

そして言う

「昔、小さい頃に私は狼に噛まれてしまってね
両親は懸命に治療しようとしたが、その頃はまだ治療法が見つからなかった
スネイプ先生が調合してくれる薬も、エルラが作ってくれる薬も、最近に開発されたものだ」
「お母さんが!?」

ルーピン先生から出てきた言葉に反応する

なぜここで母の名前が出るのだろう


ルーピン先生はすぐに説明してくれた

「戻狼薬(ウルフワクチン)と言ってね
エルラは私の1学年先輩で、魔法薬が尋常じゃないほど優秀だった
才能溢れるレイブンクローの寮の生徒だったからね
そして、エルラは私のために、『狼が一時的に人間に戻れる薬』を作ってくれたんだ」




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