第31章 避けられる
ぼー
「ヴィオラ」
「……………」
「ヴィオラ」
「……………」
大広間にて
ネビルはひたすら、ヴィオラに話しかけていた
が
ぼー
彼女は全く反応を示さなかった
「そっとしといてやれよネビル」
「君は彼女がなんでこんな事になったか知ってるの?」
「さあ?僕には分からない
でも……」
ロンがネビルに説明する
ネビルは不思議そうにヴィオラを見つめる
しかしやはり反応はなかった
その時
「ヴィオラ、セドリックが来たわよ」
「ふぁ!?」
ガタン!と、ヴィオラは勢い良く立ち上がる
ロンがそれを見て言う
「ほらあれ
セドリック・ディゴリーの話をするとあぁなるんだ」
「……それって」
「……やっぱり?」
何やらコソコソと話している
しかしヴィオラが気付くことは無かった
セドリックがこちらに向かってきていたのだから
「やぁヴィオラ」
「お、おはようセドリック!」
「…もうお昼だよ?」
「あぁ、えっと、こんにちは!」
数日前からこんな調子
あの医務室の一件から、セドリックが近付くだけでヴィオラは赤面するようになってしまった
たじたじながらもヴィオラは話す
「その、どうしたの?」
「あ〜、これ」
「?」
セドリックが何やら手渡してくる
なんだろうと思い見てみると
「ブッ!」
それは、あの日特別に付けていたネイビーのシュシュだった
「その、ポケットに入ってたみたいなんだけど気付かなくて…」
「あぁ、あり、ありがっ」
顔が真っ赤に染まる
理由は、その場にいる全員からの視線を感じたから
「公の場で渡すのもどうかと思ったんだけど……」
「だ、大丈夫大丈夫、わざわざありがとう」
「いいんだ、それじゃ」
「うん!バイバイ!」
笑顔で見送る
自分でも、その笑顔が不自然になっていると感じた
手を振りながら、セドリックは帰って行った
「ふぅ」
じーっ。
「……」
視線を感じる
ハーマイオニーやウィーズリーの双子&監督生パーシー
ジニーやウッド、さらにはクィディッチアナウンサー、リー・ジョーダンからもだ