第29章 悲しい偽り
見ていて飽きない
「お?ハリーにヴィオラ!?」
「抱きしめ合って何してるんだ!?」
ジョージとフレッドが帰ってきた
やはり2人もホグズミードに行っていたらしい
この、ヴィオラがハリーを抱きしめている状況に、頭がついて行かないようだ
別に他意はない
決してない
が
もっとハリーを強く抱きしめる
ふわふわのテディベアを抱きしめるみたいに
「ハリー坊やと仲良くしてたんだよ〜」
「ちょっと…ヴィオラ?」
「ね〜、私のハリー坊や〜」
「!?」
ヴィオラの言葉に、ハリーがあたふたする
さっきまで泣いていたのに、今は恥ずかしがって赤くなっている
それが本当に子供みたいで可愛らしかった
「ハリー!地図は渡しても!」
「ガールフレンドは渡さないぜ!」
「2人とも何言ってるの!?」
「ハリー」
「ロン?」
「頑張れよ」
「何が!?」
ハリーがディスられ……いじられている
その様子を微笑ましそうにハーマイオニーと見つめた
ハーマイオニーといえば優雅に紅茶を飲んでいて
「仲が良いわね、あの4人」
「ふふ、そうだね」
悲しい時間は、あっという間に楽しい時間に
温かいくつろぎを、君に届けよう