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【文アル×FGO】誰ですか、図書館に賢王様を呼んだのは?

第2章 ギルガメッシュ王、潜書。


「……いたた……」
目が覚めると同時に腰痛に襲われる。腰を打ったらしい。
「ここどこだろう……」
痛む腰を抑えながら立ち上がる。森の中だ。あたりは霧に包まれ、遠くまで見通すことは出来ない。そして何より特徴的なのが、至る所に文字のようなものが乱立している。漢字のようなひらがなのようなかたちで、それでいて読むことは出来ない。空を見上げると、同じような、読めそうで読めない文字のようなものが流れていた。
ここは、まさか。
「有碍書のなか?」
司書自ら潜書なんて聞いたこともない。
「まあ、本触っちゃったし」
あの時私は、ラグビー選手ばりのタックル(のようなもの)を決め、魔法陣から本を弾き出した。そして気が付いたらここにいたのだ。
ということは、ギルガメッシュも来ているのかもしれない。私はあたりに注意しながら森の中を進んだ。当然ながら、潜書をしない司書は武器を持たない。加えて私は、戦闘スキルとか護身術とか、そういったものも持ち合わせていない。今侵蝕者に会ってはひとたまりもないのだ。
森をさまよい始めてから、どれほど経っただろう。疲れ果てた私は、倒木に腰掛けて休んでいた。
「どうしよう……」
文豪たちが助けに来てはくれないかと思ったが、無理である。いつも文豪を潜書させている司書が本の中にいる以上、彼らに潜書を頼むことは出来ない。
その時、がさりと茂みが動いた。
「侵食者!?」
「違うわたわけ!」
鋭いツッコミと共に現れたのは、
「王様!? なんでこんな……」
葉っぱまみれなんですか、とは言えなかった。髪も服も被りものも、小さな葉っぱが大量についている。
「全く……なんなんだここは……」
葉っぱを払いながらぶつぶつ言うギルガメッシュに、私は例の本のことを話す。
全てを聞き終えたギルガメッシュは「ふむ」と顎に手を当てて口を開いた。
「要は、ここから出る方法はないということだな」
「ええ……侵食者を倒せれば出られるんですけど、この状況では文豪たちを呼べないので」
侵食者を倒し、本が浄化されると共に文豪たちは本から帰還出来る。もしくは私が帰還命令を出すか。今はどちらも出来ない状況だ。
「ほう。という事は、侵食者を倒せば出られるのだな?」
「えっでも……文豪たちが来れませんし……」
私が俯くと、「何を言うか」とギルガメッシュが胸を張った。
「我がいるであろう」
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