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【文アル×FGO】誰ですか、図書館に賢王様を呼んだのは?

第3章 王の帰還とマスターの休息


 目を覚ます。司書室だ。私は起き上がって、あたりを見回す。すると、突如数多の足音が聞こえてきた。勢いよく扉があく。
「司書さん!」
「司書!」
「おっしょはん!」
 横光、花袋、徳田、織田。一番後ろから音もなくついてきたのは、川端である。
「無事か!?」
「あ、うん、大丈夫」
 答えながら、なぜ私が帰ったことが分かったのだろうと首をかしげる。その時、
「無事に帰還したようだな、雑種」
 司書室に入ってきたのは、ギルガメッシュだった。
「王様!」
「何、礼には及ばん。我のほうが一足早く目覚めたというだけよ」
 それで文豪たちを呼んできてくれたんだ。私は、素直に頭を下げる。
「ありがとうございます、王様」
 頭を上げて、ギルガメッシュの傷が治っていることに気づく。
「王様、傷の手当て、本当に自分でやったんですね」
 まさか出来ると思ってませんでした、と言おうとすると「ああ、これは違うぞ」と訂正される。
「腕の良い医者がいてな。本人は軍医と言っていたが……まあ、図書館に医者がいたとは予想外だ」
 当の本人はこの場にいない。あとでお礼を言おうと心に決める。
「では、今度こそ我は帰る」
 司書室でやっては二の舞になりかねないので、中庭に出る。文豪たちはついてこなかった。
「気を付けて帰ってくださいね」
「貴様も、たまにはカルデアに顔を出せ。それと、休みを取れ」
「そうですね。有給でも取ります」
 私がそう言うと、満足げに頷いたギルガメッシュは魔法陣を展開した。
「王様! 今度、遊びに来てください!」
 声を張る。吹き始めた強風で、張らねばその声は届かない。
「そうさな、今度は他のサーヴァントでも連れてくるとするか!」
 ギルガメッシュがそう答えた時、魔法陣が強い光を放った。目をつむる。
 再び目を開いたとき、ギルガメッシュはもういなかった。
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