• テキストサイズ

貴方は月のように 〜イケメン戦国 明智光秀〜

第15章 仕返しのキス




…………



足音が聞こえなくなってから、光秀は深く息をついた。


「……まったく、えらい目に遭った」



散々殴られ、蹴られ、痛めつけられたことよりも、秀吉と茜にかけられた言葉の方が、光秀の心をえぐった。



「それにしても……」



頬に残る口づけの感触を、指先でじっくりと確かめる。


「……まさか茜が、こんな仕返しを食らわせてくるとは」



こぼれ落ちた笑みが、顔の傷口をひどく疼かせる。



けれど、痛くてもよかった。


「なかなかにくたびれたが、休んでいるわけにもいかない。さて……ひと仕事と行こう」


光秀はひとり闇の中で立ち上がり、乱れた着物の襟を正した。

…………

/ 573ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp