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貴方は月のように 〜イケメン戦国 明智光秀〜
第15章 仕返しのキス
「ありますけど……」
「であれば、充分だ。俺の最大の武器は無事だ」
ハッと胸を打たれ、涙が止まった。
乾いた唇が、いつもと変わらない鮮やかな弧を描く。
「今のは、大昔のとある策士の逸話の真似だが、まあつまるところ……、俺に関して、お前が心配することなど何もないということだ」
大怪我を負っていても、その声は凛として潔く、決して余裕を失わない。
(ああ、そうか……。この人は何もかもを覚悟の上で、ここにいるんだ)
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