第7章 虚心坦懐
(さっそく光秀さんのペースだ……)
「お前から俺を訪ねてくるとは思わなかった」
「……光秀さんに関する噂を聞きました。顕如と手を組んで、信長様を倒そうとしてるって」
「そうらしいな」
緊張した顔が強張る私とは対照的に、まるで他人事のように、光秀さんの笑みは崩れない。
「それでお前は、噂の真偽を確かめに来たのか」
(え……?)
「自分を監視している人間が敵だったら、どんなひどい目に遭うか……心配するのは当然だ。だが、裏切りの疑いのある当人を相手に確かめようとするのは愚行だぞ、茜」