第7章 虚心坦懐
押し寄せる不安に心が騒ついたけれど、三人がきっぱりした態度で否定してくれたおかげで、少し安心した。
「光秀さんは顕如の本拠地、石山本願寺を攻めたこともある。いくらなんでも、あのふたりが組むなんてありえない」
「『光秀様であればかつての宿敵さえ懐柔しかねない』との意見もありますが……こじつけがすぎる気がしてなりません。何者かの陰謀でなければいいのですが」
「誰かが故意に、光秀さんの評判を下げようとしてるってこと? なんでそんなこと……」
「心配するだけ無駄だよ、茜。悪巧みで光秀さんに勝てる人間なんてそうそういない」
「それは、確かにそうだよね」
納得する舞ちゃんの反応も、家康言うことも最もだとは思う。
光秀さんが誰かの陰謀に、そう易々と引っかかるとは思えない。