第6章 疑心暗鬼
(っ、そんな……女の人も子供まで……ひどい…)
想像するだけでゾッとする様な話に
戦場でかいだ血と硝煙の匂いが、鼻先を掠めた気がした。
(信じたくない……。でも……)
腹の底の読めないあの微笑には、恐ろしいほど焼け野原が似合う。
私の意思とは関係なく震える手を、胸の前で力強く握りしめる。
「っ……でも……拷問なんて……。他に、方法はなかったの……?」
「愉快なやり方だとは俺も思わないが、手っ取り早く敵の情報を入手するには有効な手段だ。敵陣に乗り込んで味方を危険にさらすこともない」
政宗さんの荒々しく迷いのない声が、呆然とする私を揺さぶる。