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貴方は月のように 〜イケメン戦国 明智光秀〜
第6章 疑心暗鬼
(あんなクセの強い人と一緒にいたせいだ。……寂しいとか、そんなんじゃない)
浮かぶ思いをふるふると頭を振って掻き消すと、一心不乱に床を磨き上げる。
「……! お前は、あの時の……」
(ん?)
通りかかった武士が、お化けでも見たかのようにこっちを見ながら後ずさりして、壁に背中を派手にぶつけた。
「あ! あなたはこの前、町で光秀さんをけなした人……!」
「ひ、人聞きの悪いことを言うな!」
彼は辺りをキョロキョロ見回し、他に人がいないことを確かめてから、にたりと笑ってみせた。
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