貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第7章 二人の距離
「家康、烈の面倒を見るのも仕事の一環だと思って諦めろ。乃々には散々、世話を焼いていたろう。」
光秀さんがお椀片手に意味ありげに言うと、家康さんは眉間に皺を寄せた。
「乃々は人質じゃなかったです。そもそも人質の立場の人間と仲良くする必要があるんですか?」
「人質って言っても、烈は乃々と同じ時代から来た人間だぞ。」
「でも武田の人間に変わりないでしょ。」
「いくら、烈が武田の……」
「あのっ……!秀吉さん、大丈夫です。……みなさん、忙しいのに無理言ってすみません」