貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第18章 貴方に出会うそのために
私が安土に戻ってしばらくが経った、ある日の昼下がり。
(あ……)
荷物を抱えていた私は、探していた三成くんと廊下でばったり行きあった。
「三成くん、丁度よかった。頼まれてた書物終見つけたよ」
「烈様……」
一緒に探すように頼まれていた書物を、三成くんに手渡す。
「ありがとうございます」
(あれ? 笑顔にいつものキラキラが足りないような……)
「元気ないね。何かあったの?」
「烈様は聞いておられますか? 家康様の件」
(家康さんの……? 『しばらく忙しくて顔が出せない』って言われて、一週間くらい会ってないけど……その間に何かあったのかな)
「家康さんがどうかしたの……?」
「数日後、領地にある居城、駿府城へ帰られるそうなのです」
(えっ?)