貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第1章 序章
春が終わり、夏が始まろうとしていたある日の夕暮れ
数日前に掛かってきた一本の電話に
どういうわけか、家の中が急に慌ただしくなった
お父さんがどこかに連絡し、何やら段取りを決めている
「烈。信。お前たちも一緒に信玄様の菩提寺に行くぞ」
電話が終わるや否や、兄と私に向かってひとこと言った。
突然の提案に、どうせ拒否権はないとはわかってはいるけど
「えーーー。何で?お墓参り?
しかも、家族全員って??
お父さんとお母さんだけで行けばいーじゃん」
テーブルでスマホを弄りながら、私は一応抵抗してみる