貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第14章 救出作戦
信長様の言葉に固い声で告げ、家康さんが刀を構え直した。
「俺の配下の者に手を出して、ただで済むとは思っておらんだろうな、貴様ら」
「っ…信長みずから出てくるとは…。退け! 退け…–––!」
敵達は身を縮め、壊された戸口へ殺到しながらも刀を振り回す。
(危ない……!)
「…………」
(あ……っ)
振り下ろされた男の刃を、家康さんは涼しい顔で弾き飛ばした。
「ぐ……っ」
バランスを崩し、男が地面に倒れ込む。
同時に、男の刀が真っ二つに折れ、地面に突き刺さった。
(すごい……っ。家康さんの一太刀で折れたんだ)
刀を打ちあう音と叫び声が、夜の森にこだます中、小屋の外では光秀さんの声が響き渡る。
「ひとり残らず捕えろ。ただし、殺しはするなよ。この者達には聞きたいことが山ほどある」
「はっ」
小屋から飛び出した敵を、待機していた救出隊も迎え撃ち、乱戦になって行った。