貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第14章 救出作戦
「これは、これは。甲斐の姫君。言わずとも其方から出向いてくださるとは、話が早い。」
「家康様は無事かっ?!」
「あぁ。今は、まだな。」
頭目が訝しげに私と従者を見比べる。
疑いの眼差しを向けられ、嫌な汗が背筋を伝う。
「では…早速、姫君を渡してもらおうか?」
頭目と従者が睨み合い、一触即発の雰囲気が漂う。
「さ、先に家康様に会わせて下さい…っ!」
私は緊張と恐怖で声が震えるのを必死に堪えながら、頭目に申し付ける。
すると頭目が意味ありげに笑い出した。