貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第9章 御殿預かり
口ごもったあと、家康さんは視線を逸らした。
「……信長様が言った、あんたを匿うのに俺が適任って言葉には俺も異論しかないけど、ただ、役割を割り振った結果、俺になっただけ」
いまだ不思議そうにしている私に、家康さんは淡々と説明を始めた。
「あんたも聞いてるはずだけど、元々、織田と武田は敵国だった。あんたが来る前の戦で、織田軍は武田・上杉軍の同盟軍にかなり窮地に追い込まれた。そんな二国を和陸に導いたのが乃々だったんだ。」
(乃々さんが……?)