貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第8章 不穏な動き
弓の稽古が始まってから、数日。
家康さんとの距離はあまり縮まってはいなかったが、私には不思議なことがあった。
稽古をする御殿への行き来の際、なぜか家康さんが送り迎えしてくれるのだ。
御殿へ行く道も覚えたから、送り迎えなど必要ないのに。
もちろん今日も例外ではなく、帰りも送ると言われた
(日が暮れてるわけでもないし
わざわざ送り迎えしなくてもいいのに……)
そんなことを考えながら、いつものように御殿の前で待っていると、家康さんがやってきた。