【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第17章 待ち人
「リヴァイ、今戻った」
「随分遅かったじゃねぇか、何か問題か?」
104期訓練兵、現憲兵団所属アニ・レオンハート。アルミンの意見を取り入れ、作戦決行は明日に迫る、その前夜。
「いや、ちょっとな」
手元に書類を入った封筒を携えるエルヴィン、いつにも増して企み顔だ。こういう時は深く聞かないほうがいいのを学んだ。
「そういやあいつ、異常なかったか」
ソファーに座り込み紅茶を飲む。
……こういう時ほどいつも通り過ごすのが1番だ。
「……ああ、少し動いて傷口が開いていたようだが、大事はないそうだ」
「チッ……あいつ、完治させとくなんざ大口叩いてやがったクセに。じっとしとくくらいできねぇのか」
まあでも、じっとしていられないのがあいつだろう。今頃馬鹿みてぇに筋トレでもしてやがるのだろうか。自然と笑みがこぼれる。
「…………」
こいつの腹の裏側など、考えもせずに。