第9章 また逢いたい
『了解です。
一人で出られないなんて、
お子ちゃま過ぎて笑えるわ。
今度の休み、わかったら連絡する』
『わかった。ありがと』
メールは終わり。
数少ない履歴の中に
二つ和さんが出てきた。
「じゃあ、いきますね」
「気を付けてね」
「お母さんか」
「あ~」
自動ドアが閉じたとき
いきなり現実を感じられた。
外はすっかり暗い。
微かに見えて消えていく
猫背の影。
外に出られる喜びと
約束できた嬉しさと
会いたいが叶った幸せ。
いつになるかわかんないけど
生きようって楽しみができた。
一人でにやけた夜。