第6章 アルバム
「痛くないですか?」
「はい」
「曲げますよ~」
また同じこと。
だから、痛みは感じないんだって。
今日はお母さんがお仕事でいなくて
なんていうか、少し軽い気持ち。
でも、早く明日になれ、とか
終わってしまえ、なんて
思わない。
和さんと、また
屋上で会う約束をした。
メンバーの名前を覚えとくなんて言って
看護師さんに聞いてみる。
「あの・・・」
「どうしました?」
「嵐って・・・ご存知ですか」
「あ!うちの子ファンですよ」
「その・・・メンバーの名前を教えてほしいんですけど」
「あ、いいですよ!よく聞かれてますからね(笑)」
見た目バリバリ若いこの人に
子供がいたということにも驚きだが
一人ひとりに色までついていたとは
それはそれで驚きだった。
「覚えました?」
「たぶん・・・大丈夫です」
「何か、あるんですか?」
「いえ、社会勉強に」
「アハハ。そうですかぁ」
半分本当で、半分嘘ですけどね。