第2章 彼が友人を好きになったようです…
「美雨ちゃん、おはよ!」
私にそう言って微笑むのは私の唯一の友人。
柚々ちゃんこと柚々子。
「おはよ」
私はそう、言って微笑み返した。
「美雨さん」
あれ…空耳かなぁ、何か後ろから声が聞こえたような気がするような、しないような…
「美雨さん、聞こえてる?」
「ん?」
振り向くと伊織君が爽やかに笑っていた
「えっ…えっと、えーっと」
「美雨さんに話したいことがあるんだ」
「え?」
そう言うと、伊織君は私の手を引いて教室を出た
周りの視線が痛い。伊織君は気づいてないみたいだけど