第12章 No.11 (インハイ2日目)
尽八はしょんぼりしていたけど、
それはさておき、
新開はミサンガをつけたまま、
レースへと向かった。
好きな人にミサンガを作るのも初めてだったし、
渡すのも初めてだったし、
つけてくれるのも初めて。
なんだか私も新開と一緒に走ってる気分になるな、
と思い、謎に小さく「頑張るぞ」と囁いた。
黒田「何を頑張るんスか?」
「…ひぃ!びっくりさせないでよ。笑 てか聞こえてたのかよ。笑」
黒田「さっ、今日もご案内しますよ。最高のスポット。」
「今日もあるの!?」
黒田「もちろんです。スプリントリザルトラインまでご案内します。そこでみれますよ、新開さん。」
「や、やめろ。」
黒田「照れてるさんも可愛いスね。」
「からかうな。さっさといこう。」
黒田はニヤつきながら、
私の前を歩いた。
しばらくすると、たどり着いたのは、
長い直線の場所。
ここに新開が走ってくる。
そう思うだけで、ドキドキした。
黒田「もうスタートしてますねぇ。箱学は絶対優勝なんで、安心してみててください。新開さんはエーススプリンターですし。」
「そうだよね。そうはわかっているものの、ドキドキするなあ。」
いまかいまか、
と待ち望んでいる自分反面、
怪我したらどうしようとか、
余計な心配をしている私。
とにかく、この、スプリントリザルト獲ってほしい。
私の願いはそれだけだった。