第6章 三角関係 ~陵vs長谷川~
『はぁ?』
陵の眉間にシワが寄る。
『ね?理沙ちゃん』
イヤだ。
陵には言いたくない。
でも…
コクンッ
私は小さく頷いた。
『……』
『……』
『……あっそ。』
陵はプイッと顔を背けて行ってしまった。
『あ、待って陵…!』
追いかけようとする。
グイッ
『さ、行くよ理沙ちゃん^^』
『…っでも』
『約束したよね?』
少し声を低くして問われる。
『うん…』
私は長谷川くんに手を引かれて歩いた。
涙がこみ上げてくる。
“あっそ。”
陵の言葉が胸に刺さる。
私はなんて理不尽な人間なんだろう。
他の人とデートに行くのに、陵には嫌われたくないって思ってる。
しかも泣いたら被害者ぶってることになるじゃん。
私は必死に涙をこらえて、長谷川くんについていった。