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徒然なるままに。【オリジナル短編集】

第1章 深夜2時の憂鬱



メンソールを吸う私に
なんだ似合わねぇな、それ。と笑う顔が
とてもかっこよいいのが腹が立って
煙草を早々にもみ消した。


そこから直ぐに立ち去った私は

あの煙草もうちょい吸えば良かった…。

なんて思いながら
新しい煙草に火をつける。


慣れないメンソールが喉にツンとするが
別にむせるほどでもないし、
特段爽快でも不味くもない。



貴方と居たくて始めた煙草。
貴方みたいになりたくて吸い始めた煙草。
お揃いにしたくて、これしか分からないからと
嘘ついて吸っていた渋い煙草。

貧乏たらしくフィルターギリギリまで吸うと
落とすのを忘れていた灰がポトリと落ちた。


貴方の隣に寄り添う人ができて
私は煙草の銘柄を変えました。


ねぇ、 似合わねぇ。って笑うなら
貴方との お揃い は、似合ってたのかな?


銘柄はあれから変わらず同じメンソールだよ。


あーあ、白馬に乗った王子様とか来ないかな。

まあ、正統派の王子が来たところで
嫌いなタイプだからお断りだけど。

と、来てすら貰えないくせに悪態を着く。


よいしょ。と立ち上がり、
1番厚いコートを羽織る。

気分転換だ。と
本当はどうしても吸いたいだけなのに
心で自分に言い訳をする。


そんな、情けない大人は部屋に広がる音楽を
そっとイヤホンに閉じ込めて独り占めしたのだった。


深夜2時半
30分の無駄な時間はもう胸を締め付けない。


そんな事実知る由もなく、
銘柄また変えてみようかな?と意味もなく呟いた。


あなたのせいで、ちょっと悪い男の優しさに
グラッと来てしまう未だに子供っぽい私の趣味。

そろそろ、替え時なのかもしれない。

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